恋愛救助隊

　ろくでなし…漠然として、いろんな意味で使われていますが
もともと、漢字で書くと「ろく」は「禄」。
「禄」とは「お給料」とか「報償」という意味だから、
つまり、「ろくでなし」は「給料のないやつ」ということなのです。

　「甲斐性なし」とか近い意味でしょうか。
あと、「ひも」とか「ジゴロ」なんかも類似語だと思います。

　さて、「ろくでなし」が「金のないやつ」なことはわかりました。
これには２種類あります。

●働く意欲がなくて、金がない

●金になることをしなくて、金がない

　前者は、働きません。
働かないからお金もないです。
で、どうするかというと、お金を誰かにもらいます。

　後者は、活動はしています。
「なかなかお金にならない研究」をしている場合もあります。
「なかなかお金にならない勉強」をしている場合もあります。
また
「まったくお金にならない小説や絵を書く（描く）」という場合もあります。
あるいは
「ほとんどお金にならない音楽やお芝居をしている」という場合もあります。

　いずれの場合もお金がありません。
で、どうするかというと、お金を誰かにもらいます。

　似たような状況で、誰にもお金をもらえない人もいます。
そういう人は、いずれ食べられなくなりますから
なんらかのカタチで働きはじめます。

　ところが、誰かにお金をもらい続けることができる人もいるのです。
そういう人たちの「職業」を「ろくでなし」とここでは呼びます。

　さて、「ろくでなし」を仕事にしている人たちが
どうして生きていけるかというと、
そういう人たちを養っている人がいるからです。
逆に、「養ってしまう」人がいるから
「ろくでなし」な人たちは生息できるのです。
ひょっとしたら、ある確率で、世の中には必ず
「ろくでなしを養う女性」がいるのかもしれません。

　ろくでなしの人たちも、いろいろ特技があります。
たとえば、「やさしい」。
あるいは、「家事ができる」。
　でも、もっともスゴイ特技は、
「ろくでなしを養う女性」を見つける、という特技です。

　なぜでしょう。
「ヒモ」のような生活をしている人は、
その相手と別れても、また同じことを繰り返しています。

ろくでなしに貢いじゃった女性は
その相手と別れたあとも、また別なろくでなしに貢いでいたりします。

　それでお互い幸せを感じる時期もあるのかもしれません。
それに関しては、一片も文句も言いません。
　ろくでなし…そういう人間と付き合っている人は
自分でもそういう自覚があるものです。
「わかってやっている」わけですから
ここでわざわざ書かなくてもいいのかもしれませんが…

ただ、私が知っているかぎり、
「そういう暮らし」を死ぬまで続けられた人間は
私の身の回りにいません。
　いつか必ず卒業しなければならない関係であるならば
できるだけ早く卒業しましょう。