恋愛救助隊

　ウソ？
ウソはいけないことでしょ？

　ええ、もちろんです。
それでも、ウソのへたな男はいけません。

　わたしの友人で、浮気がバレて破局した男がいます。
彼は、とても純で一途な男でした。
そして、つきあっていた彼女をとても愛していました。

　でも、たまたま過ちがあったのです。
最初は黙っていました。
しかし、ウソをつくことを潔しとしない彼は
真相を彼女に告げました。
そして、彼女は、その真実を耐えられなかったのです。

　友人としても、悲しい破局でした。
彼女とも友達でしたから…。

　一方、同じことをやり
動かぬ証拠をつきつけられながら
「ナニもしていない！」
というセリフを最後まで言いはり、
夫婦生活を続けている男もいます。

　ここでは、どちらが「イイ」「悪い」は語りません。
でも、どちらがお互いに傷ついたかでいえば
正直モノの前者です。

　特にその場合は、彼も彼女も、お互いに愛し合っていましたから
なおさらツラい結末でした。

　前者の彼の場合、
「一途で純なマジメ者」というと聞こえがよいですが
「本当のことを言い放つ」ことで
その瞬間、いちばん楽になったのは、実は彼だったのです。
そして、「苦悩」のカードは彼女へ手渡り、
彼女はそれに耐えられませんでした。

　つまり、彼は、とても子供だったのです。

　「本当のことを言ってごらん」

　という母親に対して

　「本当はね……」
と白状し、自分の罪を母親にあずけたのです。

本当の母親ならば子供の罪を引き受けることもあるでしょう。
でも、同じことを自分の彼女に望のは、子供の男です。

　もちろん、２番目にでてくる男もよくはありません。
もっとスマートな真実の構築法があるわけですが
でも、最初の彼氏よりは、彼女を傷つけず
お互いの望むものを守っています。

　もちろん、ダメ、ですけどね…。