恋愛救助隊

　これは言葉によるコミュニケーションの問題ですが、
「もう、許さない！」と「もう、許せない！」と、
どっちが怒ってるかというお話。

　実はこれは、あるテレビ番組でやっていた問題です。
でも、時間に押されていたのか、
あんまりにもぞんざいな説明で終わってしまったので
ここでキチンと説明します。
（まるで自分が番組に出たかのようないいぐさですが…）

　これは「言葉の意味」を考えれば
スグに答えがでます。

　まあ、最初に答えを言えば

「もう、許さない！」

　の勝ちです。
こっちのセリフのほうが怒ってます。

　わかりやすくするため、言葉をいろいろ使ってみましょう。

　「これは、許せない問題だ」
　「そんなことは、とうてい許せない事態だ」

　どうでしょう、よく聞くセリフですよね。
でも、どこか余裕があります。
なぜなら

　「これは、許せない問題だ」

　という文章の場合、「許さない」のは誰かというと、
本人でなくてもよいのです。

　「これは、（普通なら）許せない問題だ」
　あるいは
　「これは、（誰もが）許せない問題だ」

　つまり、こういう意味なのです。

　それに比べて「許さない」の場合、
「許さない」と感じている人間は他の誰でもありません。
その言葉を発している本人が「許さない」と感じているのです。

　「もう、許さない！」

　とは

　「もう、（他の誰がどう許そうが、わたしは）　許さない！」

　という意味になるのです。

　きっとあなたも、後先考えることなく言葉を発すれば

　「許さん！」

　と口にしているはずです。