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苦しみのシナリオをおしつける一人芝居

「今日は帰って欲しい……」

 前項【「私を蹴って」「私をバカと呼んで」】では、
「交流分析」によって明らかにされた「ゲームのシナリオ」を一部ご紹介しました。
さて、そんな分析をしなくても、もっとわかりやすい
「シナリオのおしつけ」があります。
 ここでは、映画「天井桟敷の人々」を例に出してそれを見てみましょう。

 「天井桟敷の人々」の主人公は、パントマイムの芸人・バチスト。
そのバチストが心を奪われた女芸人がガランスです。
 ある日、バチストの恋心が通じ、ガランスがバチストの部屋へやってきます。
ガランスは、その夜、バチストの部屋に泊まるつもりでやってきたのでした。
 ところが、バチストはそんなガランスを受け入れません。
あんなに「好き」だったはずのガランスを拒むのです。

 バチストには「恋愛の美学」がありました。
それは、「自分が口説いて自分で手に入れる」ことでした。
女性が自分から男の部屋にやってくる、
というのは彼のシナリオになかったのです。

 「今日は帰って欲しい。今度、僕が君の部屋へ行くから」

 こう言って、ガランスはバチストの部屋から出されます。

 どうでしょう。

 わたしには、バチストの「恋愛の美学」が
とても「ひとりよがり」なシナリオに思えます。

 しかし、ガランスはそのシナリオを押しつけられて、
黙って共演者にはなりませんでした。
 ガランスはその後、バチストの友人と関係し、
さらに警察の追及を逃れるために、嫌っていた金持ち伯爵と
結婚までしてしまいます。

 バチストの例は、映画だからわかりやすい「シナリオ」になっていますが、
現実でも、こういった「シナリオのおしつけ」はしばしばあります。
 たいていの原因は、「交流分析」ほど潜在意識にもぐらなくてもわかります。
「カン違い」とか「思い込み」とか「知らなかった」とか
「頑固である」などが原因な場合が多いからです。

もう一回書きます。
 
 カン違い
 思い込み
 知らなかった
 頑固である

 経験を積んで視野が広くなれば、
その「つまらないこだわり」に気づき、
シナリオを書き直すことができます。

 あるいは、広い視野を持った友人がいて、
その人の言葉をあなたが受け入れることで、
シナリオを書き直すこともできます。

 わたしの友人の場合、日記を書いていて
「自分のシナリオの押し付け」に気がついたそうです。
ちょっと客観的な視点が持てれば、わりと修正しやすいケースなので、
生じた問題などを紙に書き出すなどのワークも有効です。

 最後に映画「天井桟敷の人々」に話を戻します。
映画の中では、さきほど話したバチスト、ガランスの他
劇団の座長の娘・ナタリー(バチストと結婚する)、犯罪詩人
ちょっとヤクザなナンパ役者など、さまざまのキャラクターが登場し
いろんな関係を持ちます。
 恋もあり、でも打算もあり、しかし戯れでもなく、
それぞれに切実な思いや動機を宿した関係です。

 ラストシーンは、去っていくガランスをバチストが追い、
パレードの群集にもまれ、消えていきます。
 名前は失念しましたが、このラストを評して
 「恋愛に勝利者はいないのだ」
 という方がいました。

 映画としては本当に素晴らしいものだと思います。
小さな名画座でしか流れないかもしれませんが
機会があったらどうかご覧になってください。

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